インタビュー

2024年3月21日 NEW

人を大切にし、「共育」の考え方のもと、仕事を通じて自分自身も成長していきたい

私の介護の仕事

金子 大介(かねこ・だいすけ)さん 介護職歴26年 =北九州福祉サービス株式会社=


金子 大介(かねこ・だいすけ)さん

【プロフィール】
京都府出身。北九州市立大学人間関係学科卒業後、介護老人保健施設の支援相談員として入職。訪問介護や居宅介護支援事業所、地域包括支援センター等の経験を経て、平成25年、北九州福祉サービス株式会社のケアプランサービスセンター次長として勤務。現在は生活提案事業部部長。
 
【保有資格】
主任介護支援専門員
 
【キャリアアップ】

2013年 ケアプランサービスセンター次長
2015年 ケアプランサービスセンター長
2019年 生活提案事業部 部長

ボランティアで障がいに立ち向かう親子に感銘を受け、福祉の道へ

 大学で心理学の勉強をしたくて、人間関係学科を受験しましたが、大学一年生の時に、障がいを持つ子のボランティアに参加したことがきっかけで福祉に興味を持ち、進路を変更して、社会福祉を専攻しました。ボランティアで身体や精神に障がいのある子やその親御さんが成長していく姿を見て感銘を受け、私も福祉の仕事に携わりたいと思うようになりました。

 就職は大学の教授からの勧めがあり、支援相談員(ソーシャルワーカー)として、介護老人保健施設(老健)に就職しました。老健では、入居の希望者や入居者、家族への相談に応じて、適切な介護サービスの提供につなげ、施設・行政間の調整役を担いました。特に、入居者の自宅への復帰に向けた支援や退所後の生活支援は、入居者が安心して生活ができるように、様々な方法を考え、本人や家族が納得いくまで話し合いました。入居者の生活にしっかりと向き合い考えたことが、私にとって良い経験となりました。

利用者と信頼関係を築くには、利用者の生活や考えを受け入れることが大事

 施設での経験を経て、利用者の実際の生活を見て、関わりたいと考えるようになり、訪問介護事業所に転職しました。訪問介護では、利用者の自宅で、生活支援や身体介護を行うため、利用者自身のルールや価値観に沿うことが大事だと学びました。利用者が大切にしていることが一般的ではなかったとしても、まずはそれを否定するのではなく、一緒に考えていくことで真に利用者に寄り添った信頼関係が生まれると考えています。

 生活を改善していく必要がある場合は、利用者の環境はそれぞれ違うので、相手に合わせた方法を見つけることが必要だと思います。

利用者の自立支援のため、「提案」できる人材を育てる

 当社は北九州市の7地区にそれぞれケアプランサービスセンターを設置しており、それを統括する次長として、平成25年に入職しました。現在は生活提案事業部の部長を務めています。具体的には、相談支援事業所、居宅介護支援事業所、福祉用具事業所の3つの事業から構成されており、介護支援専門員は現在45名在籍しています。部門の名称は、「生活に対する提案力が大事」という思いが込められています。利用者が自分らしく生活し続けるためには、介護支援専門員がどれだけ多くの提案ができるかが鍵となります。利用者にとって選択肢が多ければ多いほど、自己選択・自己決定へとつながり、そして自立支援、更には「その人らしい生活の実現」につながっていきます。

 役職を頂いてからは、会社の成長や人を育てることも重視しています。介護支援専門員等のスタッフの教育も担い、各センターの相談や助言、事例検討や事例研究などの研修を実施しています。利用者に対する業務は担当制ですが、それはあくまでも役割分担であり、スタッフ同士の協力体制(チームワーク)を大切にしたいと考えています。

 福岡県介護支援専門員協会の理事も担い、地域の会員等を対象とした研修の開催や講師も務めています。社内においても毎月定期的な研修会の実施や、それとは別で自由参加型の研修会を開催するなど、専門性の向上はもちろん人間力も高めていってほしいと考えています。私は「教育」とは「共育」だと捉え、人に伝えることで自分自身の成長にもつながっていると実感しています。

 管理職として、どのようにマネジメントしていくか迷うこともありますが、これまで出会ってきた方達全員がロールモデルであり、自分の考えを捻出するサンプルとなっています。一緒に考え、共通理解を図り、それぞれが納得して実行ができるよう接していきたいと考えています。

 介護業界に限らず会社は社会貢献のために存在していると考えていますが、特に介護業界の仕事は利用者との距離感が近く、努力が直接成果となって返ってきやすいことから「社会貢献」を身近に実感できる魅力ある仕事だと思います。今後も質の高いサービスの提供を継続していくために取り組み、業界のブランド力の向上と発信に努め、魅力を伝えていきたいと思います。

【居宅介護支援事業所とは?】

 介護支援専門員が本人・家族の心身の状況や生活環境、希望などに沿って、介護サービス計画を作成し、その計画にもとづいて介護保険サービスなどを提供する事業所との連絡・調整を行います。

 北九州福祉サービス株式会社は、訪問型サービスを中心に、デイサービス、グループホーム、小規模多機能ホームなど22カ所の事業所を運営している。北九州市の7区全てにサービスセンターがあり、北九州の福祉サービスの中核を担っている。介護・福祉のトータルサービス企業として、「『暮らしあなたらしく』生活を共に作る会社」を事業領域に、スタッフ全員が真心のサービスを提供している。

施設概要

北九州福祉サービス株式会社
〒802-0077
北九州市小倉北区馬借1丁目3-21 きたふくビル
TEL:093-533-1294 
URL:http://www.kitafuku.co.jp/index.html