インタビュー

2023年3月30日 NEW

なんでもオープンに話し、チームで一緒に解決する訪問介護を実践

私の介護の仕事

福田順子(ふくだ・じゅんこ)さん 介護職歴21年 =IRC株式会社 あいヘルパーステーション=


福田順子(ふくだ・じゅんこ)さん

【プロフィール】
子育て中は他業種でパートとして勤務。平成14年に、30代から精神科病院で看護助手として働き始める。介護福祉士資格取得を目指して平成16年より介護老人保健施設に入職。介護福祉士の資格を取得し、平成20年に訪問介護事業所へ入職、3カ月後に管理者になる。平成26年にIRC株式会社あいヘルパーステーションに入職、管理者として勤務。
 
【保有資格】
介護福祉士
 
【スケジュール】

10時 スケジュール調整、スタッフや介護支援専門員などの連絡対応
12時 休憩
16時 利用者宅訪問
18時 利用者宅訪問
19時 利用者宅より直帰

子育てと仕事をしながら勉強し、40代で介護福祉士資格を取得

 介護の仕事に就いたきっかけは、私の母が祖父の介護をできずに後悔していたことです。母は自分の家庭のために祖父の介護を諦めたことにずっと心を痛めており、私もそのことが気になっていました。私自身も子育てが一段落し、フルタイムで働き始める時に、母の後悔を私が晴らしたいと考え、医療・介護の仕事の道に進むことを決めました。最初は精神科病院の看護助手として2年間働き、そこで介護福祉士の仕事を知りました。介護福祉士資格を取得するためには介護の実務経験が必要だったので、介護老人保健施設に転職し、介護の仕事を始めました。当時は子育ての真っただ中で、仕事もしながらの試験勉強だったので、休みの日や子どもが寝た後の時間に過去問を解いて勉強しました。母には介護福祉士の資格をとった後に報告し、母もとても喜んでくれました。

 その後、ご利用者のご自宅で1対1で手厚く介護をできる訪問介護に魅力を感じ、平成20年から今まで16年間訪問介護の仕事をしています。当事業所は、高齢者の訪問介護と、障がい者の居宅介護をしています。居宅介護では夜間や深夜も訪問していて、24時間365日対応できることが当事業所の強みでもあります。

訪問から戻ったら常に情報交換、チームみんなの様々な視点で解決する

 当事業所では正社員10人、パート職員18人の計28人が働いています。私は管理者として入職しましたので、マネジメント業務も大事な役割のひとつです。大切な職員の様子がいつもと違う場合は声をかけ、私一人では目が届かないこともあるので、変わった様子の職員がいたら教えてもらえるように日頃から呼びかけています。実際にご利用者の家に行って介護をするのは一人ですが、ご利用者にはチーム全員で関わるということを、会社全体で実践しています。多くの職員が情報を共有して、それぞれの視点から意見を出し合って、その後の介護につなげています。

 職員には日頃から「一人で抱え込む必要はない。何か困ったり迷うことがあれば、最初からチームに丸投げして、みんなで解決しよう」と声をかけています。訪問先でご利用者に叱られても、叱られたことに落ち込むのではなく、チームに持ち帰りオープンに話して、何が悪かったのか、他の職員ならどう対応したかなどを一緒に検証するようにしています。

 また管理者として、事業所の経営が安定して継続していくことが、ご利用者の安心のためにも必要不可欠だと考え、重要視しています。職員みんなにも経営の視点をもってもらいたいので、収支に関することも情報共有しています。ご利用者の細かい変化や体調に目を配り早めに適切に対処することで、ご利用者が元気に過ごされることが、サービスの継続的な利用にもつながり、事業所の経営にも関わるのだという意識を持ってもらうようにしています。従業員数も少なく小さい会社だからこそできることだと思います。
 

仕事を正確にこなすことよりも相手に合わせて柔軟になれる人にぴったりの仕事


 

 これから介護の仕事を目指される方には、なんでも挑戦してみて、関心を持って好きになり、楽しむことが大事だと伝えたいです。私も介護の仕事を始める前は、汚い、きついなどのイメージが強くあり、人のおむつを交換するなど想像もできないと思っていましたが、いざやってみるとあまり抵抗もなく、本当に楽しい仕事でした。ご利用者に笑顔でありがとうと言われたときや、ご利用者に関わる他職種の方から「あなたたちに任せると安心」とお褒めの言葉をいただいたときなどは、大変うれしく、自己肯定感も上がります。また、日頃からチームで楽しく介護に取り組み、ご利用者の状態が改善したり、問題を解決できたときなどに喜びを分かち合うことも、この仕事の楽しさの一つです。

 訪問介護には、相手に合わせられる柔軟な人が合っていると思います。仕事を正確にこなすことにこだわるよりも、訪問した先の家のやり方や、そのときの相手の様子に合わせられる方が、ご利用者にも喜ばれます。男性女性問わずニーズがありますし、給与の面でも魅力的な仕事だと思います。ぜひ挑戦してみてほしいです。

訪問介護事業所とは?

 在宅で介護を必要とする高齢者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)を派遣して、日常生活の支援を行う在宅サービス。サービスには身体介護と生活援助があり、身体介護は利用者の身体に直接触れて行う介助サービスで、食事介助や入浴、排せつの介助などがある。生活援助は、調理や洗濯などの家事、買い物などの日常生活上の援助を行う。
 
 IRC株式会社は、介護事業のほかにも自動車販売や保険、運送など多岐にわたるサービスを展開している。介護事業では「利用者の方々の自立(できる)と尊厳(らしさ)を守るため、謙虚に学び、傾聴・共感に努める」をモットーとして、訪問介護と通所介護のサービスを提供しています。

施設概要

IRC株式会社 あいヘルパーステーション
〒810-0024
福岡市中央区桜坂1-6-33ネズバン桜坂1F
TEL:092-739-6096
URL:https://w-irc.co.jp/free/care