インタビュー

2023年3月30日 NEW

自分と家族を大切にできる職場で、若い世代を育てていきたい

私の介護の仕事 インタビュー動画

牧之瀬一二三(まきのせ・ひふみ)さん 看護師歴43年 =社会医療法人北九州病院 介護老人保健施設あけぼの苑 / 北九州安部山公園病院=


牧之瀬一二三(まきのせ・ひふみ)さん

【プロフィール】
昭和54年高校衛生看護科卒業、准看護師の資格を取得。就職後、准看護師として働きながら看護専門学校で看護師資格を取得し、昭和54年看護師として勤務する。
 
【保有資格】
看護師、介護支援専門員
 
【キャリア】

1年目 社会医療法人北九州病院の北九州古賀病院に入職
8年目 結婚を機に北九州八幡東病院に移動
11年目 看護主任
22年目 看護師長
29年目 看護副部長
30年目 北九州小倉病院に看護部長として転勤
33年目 介護老人保健施設あけぼの苑と北九州安部山公園病院の看護部長を兼任

介護職の1日

患者さんやご入所者とのふれ合いが一番楽しく元気をもらえる

 小中学生のころからおてんばでよくケガをしていました。自分で包帯をまくこともあり、私は包帯を巻くのも上手だし看護師に向いているかもしれないと思い、そんなささいなきっかけで看護師の仕事に興味を持ちました。いざ看護師になってみると、人と話すのが大好きで、おせっかいで人助けが好きな私にとって、とても合っている仕事でした。この仕事が本当に大好きです。

 管理職となってからは、ご入所者や患者さんと直接ふれ合う機会が少ないので、時間を見つけては自主的に見回りをしています。仕事に行き詰ったときにも、居室や病棟を回ってご入所者や患者さんと話すことで、元気をもらっています。「ひふみちゃん」と名前を覚えて呼んでもらったり、「ありがとう」の言葉や、笑顔を見られたときに、大きなやりがいと喜びを感じます。

職員には自分の家族と体調管理を大切にして、看護・介護の仕事で活躍してもらう


 

 10年前から、介護老人保健施設あけぼの苑と北九州安部山公園病院の看護部長とを兼任しています。看護部長として重要な任務は、職員が働きやすく、患者さんが安心して快適に過ごしていただける環境をつくることです。

 看護・介護の職場は、家族を持った方が多いので、職員には日ごろから「自分と家族のことを一番に考えて。そのためには自分の健康管理も大切」「家族を犠牲にして働く必要はないし、困ったことがあればすぐに相談して」と呼びかけています。各施設や病棟の師長に、普段と違う様子の職員がいれば報告するようにお願いして、その職員と面談の時間をつくるようにしています。また、始業よりすこし早く出勤すると、その時間に職員から相談を受けることもよくあります。心身の不調や子どものことで悩んでいる場合は、一度しっかりと休めるように、体制を整えています。自分の体調や家族としっかりと向き合い改善することで、復帰して活躍してもらうことができるからです。法人全体でも、メンタルサポート室や、カウンセラーによる巡回など、メンタルのサポート体制が整っています。

 当施設では60代、70代の方も嘱託やパートなどで多く働いています。また法人全体で外国人職員をサポートする体制があり、当施設でも20代のベトナム人留学生が働いています。今は看護・介護の仕事を目指す若い方が減っていますが、本当に働きやすい環境が整っているので、ぜひ若い方や外国人の方にもたくさん入っていただき、次の世代を育てていきたいです。

介護現場では、少しの変化に気付く力が重要

 当施設は、厚生労働省が定める要件を満たし、在宅復帰・在宅療養支援機能が最も高いと認められた「超強化型」介護老人保健施設なので、ご入所者のADL(日常生活動作)を改善して、自宅などに帰って生活できることを目指しています。リハビリテーションにも力を入れていて、在宅復帰率は50%以上です。病院の職員も一緒にレクリエーションの企画を積極的にしてくれるなど、連携の体制ができています。急性期病院などから寝たきりで入ってこられた方にも、できるだけロビーに出て過ごしていただきます。おむつで排泄している人も定期的にトイレに座っていただくことで、尿意を感じられるようになり、トイレで排泄できるようにもなります。出来るだけ移動することで、褥瘡(じょくそう)予防や筋力アップにも繋がります。ご入所者の身体の状態が良くなっていくのを見られるのも、介護老人保健施設での仕事のやりがいのひとつです。

 一方で北九州市は老々介護の世帯が多く、在宅での生活が難しくなって来られる方や、点滴や酸素療法などが必要な医療依存度の高い方も多いです。私自身、病院での看護師の仕事も経験していますが、病院と比べて介護現場の仕事では、看護師だけでなく介護職員がご入所者の日頃の状態を知りささいな変化に気付く力が重要だと感じます。例えば、尿の量や色、手足の腫れ、食事摂取量や食べ方のスピードなど、少しの変化に気付いて医師に早めに相談することで、大事に至らなかったというケースが多くあります。症状を訴えることができないご入所者でも、様子にいち早く気付くことができる、当施設の看護・介護職員を誇りに思います。

 コロナ禍になってからは、当施設でも面会や園外でのレクリエーションが制限されています。今後は、早く制限を無くして、ご入所者が喜び笑顔になる活動をたくさんしていきたいです。
 

介護老人保健施設とは?

 介護を必要とする高齢者の自立を支援し、在宅復帰を目指すための施設です。「自宅に戻って生活したい」という入所者本人や家族の思いを尊重し、入所者ができるだけ自立した日常生活を送れるよう、リハビリテーションや必要な医療、介護を提供します。
 
 社会医療法人北九州病院グループは、9つの病院と4つの介護医療院に加えて、介護老人保健施設と介護付有料老人ホームを運営する西日本有数の病院グループです。急性期医療から高齢者医療、介護、予防まで幅広く展開し、北九州エリアの医療・介護を支えています。
 

施設概要

社会医療法人北九州病院 介護老人保健施設あけぼの苑
社会医療法人北九州病院 北九州安部山公園病院
〒800-0257 
北九州市小倉南区大字湯川139-21
TEL:093-475-6000
URL:https://www.kitakyu-hp.or.jp/contents/kitahos_akebono.htm