インタビュー

2023年3月30日 NEW

法人内外で仲間をつくり、理想の介護を実現

私の介護の仕事 インタビュー動画

河野沙織(かわの さおり)さん 介護職歴10年 =社会福祉法人桜花会 ライフケア大手門(グループホーム) =


河野沙織(かわの さおり)さん

【プロフィール】
介護福祉士養成校の短期大学で介護福祉士資格を取得後、平成19年に特別養護老人ホームに入職。平成29年に社会福祉法人桜花会ライフケア大手門に入職しグループホームに配属。
 
【保有資格】
介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士

【キャリア】

1年目 ライフケア大手門グループホームに入職
2年目 リーダー職
3年目 主任

インタビュー動画

中学1年生の職場体験で「この仕事だ」と直感

 グループホームは認知症の方が入居する施設です。当施設のご入居者は平均要介護度が2.1と、比較的体が動き、家事活動も行える方が多いです。ご入居者の生活機能を維持するために、昼食の調理や清掃などをご入居者と職員で一緒に行い、ご自宅で過ごすように生活してもらっています。

 介護には様々な専門分野がありますが、私は特に認知症ケアに魅力を感じています。当施設のご入居者は短期記憶障害の方が多く、例えば調理の途中にソファで休憩すると調理していることを忘れたり、トイレから出て隣のトイレに入ってしまうような状態です。また、ご入居者が何かに困っていても、本人が話すことと別のことに原因があったりするため、工夫して原因を探らなければ解決することができません。日頃から信頼関係を築けていることも重要です。様々な工夫をしてご入居者とコミュニケーションを図り、朝に暗い顔をしていたご入居者が、夕方にすっきりして過ごしている姿を見たときなどに、とてもやりがいを感じます。

 認知症についてさらに学びを深めたいと思い、認知症ケア専門士の資格を取得しました。また地域や法人内での認知症研修の講師も務めています。人に教えるときには、言葉で説明するだけでなく、実際に認知症の方の気持ちを体感してもらえるように工夫しています。たとえば見当識障害については「今目をつむって駅の方を指さしてください」と指示したり、短期記憶障害の方への接し方については、受講者がしていないことを「〇〇をしたでしょう」などと、わざとしつこく問い詰めて、記憶にないことを何度も言われる不快感を体験してもらい、どのように接すると良いか考えてもらっています。

認知症ケアに魅力を感じ専門性を追求


 

 介護の仕事を志したきっかけは、中学1年生の時に高齢者の介護施設で職場体験をしたことです。「将来は人の役に立つ仕事をしたい」と考えていた私は、「この仕事だ」と直感し、中学生の3年間、この介護施設でボランティアを続けました。その後短期大学の社会福祉学科で介護福祉士の資格を取り、ボランティアをしていた特別養護老人ホームに就職しました。5年間働いた後、結婚。夫の海外赴任のため、介護の仕事を離れていました。帰国後はやはり介護の仕事がしたいと思い、当施設に就職しました。

 最初に働いた大規模な特別養護老人ホームでは、業務に追われていたため、ご入居者一人ひとりにしっかりと寄り添うような、理想の介護をできていないと葛藤を感じていました。しかし私が介護の仕事から離れていた間に介護業界でも効率化が進み、経営の考え方なども変化していました。さらに当施設が定員9人のグループホームで小規模なこともあり、復帰してからは、最初に感じていた葛藤もなく、「私にはこの仕事しかない」という思いをさらに強く感じています。

施設外との交流や協力で、ケアの質をもっとアップする

 当施設に就職する前から、介護の質を上げたい、地域に出て活動したい、ご家族を巻き込んで施設での暮らしをご自宅での生活に近づけたいなど、挑戦したいことがたくさんありました。実現するためには職員をけん引する立場になる必要があると考え、マネジメント職につきたいという希望を法人にも伝え、2年目でリーダー職、3年目で主任となりました。

 また、令和4年度からは福岡県グループホーム協議会の役員となり、理事会への参加や研修の企画など、施設外でも活発に活動しています。協議会に携わることで、他の事業所の方との横のつながりを広げるチャンスだと思い、月に1~2回、定例会議を開いて、ケアに関する意見交換や悩み相談をする場を作りました。情報交換することで、ケアの質も上げることができます。


 

 外部とのつながりを意識的につくることで、社会福祉協議会や、介護福祉士養成校の専門学校、地域の方などから声がかかり、一緒に新しい取り組みをする機会も増えています。施設外の様々なところで何か新しいアイデアが生まれたときに、私達と一緒にやりたいと思ってもらえることが大変うれしく、またその取り組みによって当施設の活性化や向上につながっています。

 当施設ではこうした新しいことややりたいことに積極的にチャレンジできる環境があるので、主任として、職員が、既成概念にとらわれずに、自由に考えてご入居者のために挑戦できる施設にしていけたらと考えます。
これから介護職を目指す方には、介護の大変なことだけにフォーカスせずに、大きな視野でみるととても楽しい仕事だということを伝えたいです。教科書に書いていることだけではうまくいかず、考えて工夫をしなければ解決できないことも多いですが、だからこそ、自分で考えてご入居者に寄り添い解決できた時のやりがいや達成感が最高なので、ぜひ挑戦してほしいです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは?

 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の入居者を対象にした専門的なケアを提供する施設です。少人数の入居者(5人~9人)が家庭的な環境の中で、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けます。
 
社会福祉法人桜花会は、“入所者様第一”をモットーに、都市型総合老人福祉施設「ライフケア大手門」と個室対応型特別養護老人施設「ライフケアしかた」と「ライフケア柏原」を運営しています。ライフケア大手門は、1つの建物の中で、グループホーム、ケアハウス、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、地域交流センターなどを集約し、複合的な介護サービスを展開しています。

施設概要

社会福祉法人桜花会 ライフケア大手門(グループホーム)
〒810-0074
福岡市中央区大手門2-5-15
TEL:092-726-6333
URL: https://www.o-lifecare.com/main/3.html