インタビュー

2020年1月28日 NEW

学校の内外でたくさん経験を積んで心と気持ちに寄り添う介護を追求

私の介護の仕事

海江田早紀(かいえだ・さき)さん ー 学校法人真宗大谷学園 九州大谷短期大学 ー

アイキャッチ画像:施設のベランダで利用者と一緒に植木に水をあげている海江田さんの様子
プロフィール写真:白い壁の部屋のソファに座り、笑顔でインタビューに答える海江田さんの様子
海江田早紀(かいえだ・さき)さん

【プロフィール】
平成30年に高校を卒業後、臨床工学技士を目指して大学に入学。その後介護の仕事への強い想いから大学を中退して、平成31年4月に九州大谷短期大学福祉学科に入学。現在同短期大学の1年生。


スケジュール

9時 授業(1限、2限)
12時10分 昼休み
13時 授業(3限、4限)
16時10分 授業終了
18時30分 販売のアルバイト、帰宅
22時30分 訪問介護のアルバイト、帰宅

介護への想いを強くし、大学を中退して介護を学ぶ道に

画像:施設の事務室内で机を囲んで指導者から実習の状況を確認し学んでいる海江田さんの様子

 高校を卒業後、一旦は臨床工学技士を目指して大学に進学しましたが、学ぶうちに「機械ではなく直接人に関わって、病気や高齢の方の役に立ちたい」という想いが明確になったので、大学を中退して介護を学ぶ道に進むことを決めました。ちょうどその頃、曾祖母が病気で寝たきりになり、何もできずに悔しい想いをしたことも、介護の道に進んだ大きな理由です。

 今年、九州大谷短期大学の福祉学科に入学し、座学での学習や学校での模擬演習に加えて、実際に介護施設での実習もしています。現在は、グループホームで2週間の実習が始まったところです。学校の授業で認知症の種類などについて学んでいましたが、実際の介護現場で目で見て理解することや、発見することがとても多く、毎日勉強させてもらっています。

画像;会議室の机の周りで講師の方に紹介され、ホワイトボード前に黒いスーツ姿で立っている海江田さんの様子

 実際の現場で、ご利用者に「ありがとう」と感謝の言葉をもらえたときの喜びも実感しています。大変だけどこんなにやりがいのある仕事だとみんなに知って欲しいので、学校のオープンキャンパスでは、運営スタッフとして積極的に福祉学科について話しています。また学外でも、福岡県介護福祉士会の「介護の仕事」理解促進事業の一環で、高校生の前で介護について話すなどしています。

訪問介護のアルバイトで実際の介護を経験

画像:施設の中で女性の利用者を挟んで他の介護者と一緒に談笑している海江田さんの様子
 

 「介護のアルバイトをしてみると、実際の介護現場での経験ができる」と友人が勧めてくれたので、4カ月前から訪問介護のアルバイトを始めました。脳性麻痺の方に、就寝前の服薬や、トイレ誘導、ベッドへの移乗などをしています。学校の演習で、学生同士で介助の練習をしたことはありましたが、実際に麻痺がある方の体に触れるのは初めてで、怪我をさせてしまわないかなどと頭によぎり、最初は不安でした。でも、私の不安な気持ちがご利用者にも伝わってしまうだろうと思い、「初めてですが」とご利用者に伝えた上で業務をしたり、不安なときには事業所の方に伝えて、他の職員さんに手伝ってもらいました。また、そのご利用者は普段はよく話されますが、言語障がいで言葉が出づらい日もあるので、その時には、「はい」、「いいえ」だけで答えられるように質問するなど、工夫しています。

 ほぼ毎日通うなかで信頼関係もでき、介助にも少し自信が出てきました。実際の介護現場でなければ経験できないことがたくさんあると実感しているので、学校以外でも積極的に介護現場で働く機会をつくって、自分の力にしていきたいです。
 

世界にも目を向けて、ご利用者に寄り添う介護を追求したい

画像:教室でインドネシアからの留学生と二人、机でテキストを広げて勉強している白いセータを着ている海江田さんの様子
 

 同じクラスに、インドネシアから日本の介護を学ぶために留学してきた学生がいます。最初は言葉の壁を感じていたのですが、次第にクラスのみんなと打ち解けていきました。お互いに分かりあいたい気持ちがあれば、いろんな方法でコミュニケーションがとれるということがわかりました。これからは介護現場などで外国人スタッフと共に働くこともあると思うので、とても良い経験になっています。

 また留学生のおかげで、世界に目を向けるようになり、世界には様々な良い介護があることも知りました。いつか、より良い介護を追求するため、福祉大国と言われるスウェーデンなどでも学んでみたいと夢みています。

 将来は、介護技術の上達はもとより、ご利用者の心や気持ちに寄り添える介護職員になりたいと思っています。言葉を発することができない人も、伝えたいときには何かしらのサインがあるはずです。それをきちんと感じ取って、その方の気持ちを大事にできる介護職員になりたいです。

介護福祉士養成施設とは?

 社会福祉士及び介護福祉士法に定められ、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校または都道府県知事の指定した養成施設。高等学校や専門学校、大学があり、卒業後、介護福祉士の国家試験の受験資格が得られます。

 九州大谷短期大学には、福祉学科の他、幼児教育学科、表現学科、仏教学科などがあります。福祉学科では「こころの介護士」養成を掲げ、介護の現場においていかなる場面にも対応できる判断力と分析力、人に対する深い理解力を持つ人材の育成をめざしています。

施設概要

画像:手前に大きな芝生のグラウンドがありその後ろに1階建ての建物の後ろに大きな4階建ての大学の様子

学校法人真宗大谷学園 九州大谷短期大学

〒833-0054
筑後市蔵数495-1
電話:0942-53-9900