インタビュー

2020年1月28日 NEW

ヘルパーが一人で悩まないよう、自らの経験をもとにサポート

私の介護の仕事

大久保主税(おおくぼ・ちから)さん 介護職歴17年 ー 社会福祉法人筑後市社会福祉協議会 筑後市ホームヘルプサービス ー

アイキャッチ画像:施設の複数のホワイトボードの前の机に座って女性とにこやかに会話している大久保さんの様子
プロフィール写真:白い壁の部屋で椅子に座り、手を前に組んで笑顔でインタビューに答える大久保さんの様子
大久保主税(おおくぼ・ちから)さん

【プロフィール】
平成12年、28歳のときに他業種から介護の仕事を目指して介護福祉士養成施設に入学。卒業後、平成14年社会福祉法人筑後市社会福祉協議会に入職。平成19年よりサービス提供責任者として、ヘルパーの管理、サポート業務に従事。

【保有資格】
介護福祉士

キャリアアップ

1年目 筑後市ホームヘルプサービス勤務
5年目 サービス提供責任者

ご利用者に教わることがコミュニケーションのきっかけに

画像:白い軽のワンボックスカーに乗り笑顔でハンドルを握っている大久保さんの様子
 

 28歳のときに他業種から介護の仕事への転職を決め、2年間専門学校に通って、介護福祉士の資格を取りました。卒業後すぐに筑後市ホームヘルプサービスに入職し、17年目を迎えています。

 訪問介護は、ご利用者の自宅で身体介護や、家事などの生活援助をする仕事です。生活援助ではご利用者の食事をつくることもありますが、入職当初は調理の経験があまりなかったので、ご利用者や職員に教えてもらいながら少しずつ覚えていきました。今振り返ると、ご利用者に教わることがコミュニケーションのきっかけとなって、信頼関係を築くプロセスになっていたように思います。これまで食べてきた食事や、好みの味付け、食事以外の家事も、ご利用者によって様々なので、教えてもらいながら、という姿勢は、訪問介護では大切なことだと感じてます。

 また、訪問介護はできる業務がケアプランで決まっており、全てをお手伝いできるわけではありません。自立支援の観点からも、ご利用者の残存機能を引き出すために、自分でできることはしてもらわなければなりません。そのようなときにも、「自分でしてくださいね」というのではなく、「一緒にやりましょう」「私にも教えてください」などと声かけをすることで、スムーズにご利用者にしていただけることが多いです。

自身の経験をもとにヘルパーが働きやすい環境を整備

画像:施設の配膳室で机の上に2つのカセットコンロにフライパンと鍋を乗せ、5人の職員さんが食事を作っている様子

 現在は、現場での仕事よりも、ヘルパーがスムーズに仕事ができるように管理する業務がメインとなっています。

 当事業所では、ヘルパーがご利用者を訪問する前と1日の最後に必ず事業所に出社し、ご利用者の様子を報告するようにしています。その際にヘルパー自身が悩んでいる様子がないかなどを確認し、必要であれば個別にアドバイスしています。また、毎月ヘルパーが全員参加する「チーム会議」を開き、注意事項を共有するだけでなく、困っていることなどを挙げてもらうことで、一人で悩まずにみんなで解決する雰囲気をつくっています。以前に「Aさんの支援の時間が足りない」という意見が出た際には、検証し、ケアマネジャーに報告し、時間と計画を見直して改善した例もあります。

画像:公園の大きな木の下のブルーシートの上に7名の女性職員と1名の男性職員が楽しそうにしている様子

 ヘルパーに向けた研修の企画では、チーム会議で出た意見や、私が現場に出ていた際に困ったことなどをもとに、実践的な研修となるよう心がけています。最近では、高齢でも食べやすい、やわらかい食事のつくり方の調理実習をしました。また、大事な項目は、研修を繰り返し行うことで定着を図っています。

 研修の他にも、ヘルパー同士の親睦を深めるために年1回交流会を行い、ヘルパーが働きやすく、意見を出しやすい環境づくりに注力しています。

グループで協力して、在宅で生活できる人を支えたい

画像:青空を背景として手前の駐車スペースに3台の軽自動車が止まりその後ろに2階建て施設を正面から見ている様子

 日々の訪問介護を通して、より長く在宅で生活できるように支援に取り組んでいます。

 筑後市社会福祉協議会のグループ内には、地域包括支援センターや介護予防事業もあるので、ご利用者の周りの方で気になる方がいれば、他の事業所と連携をとって相談に繋げています。また、介護保険内ではお手伝いできないようなことを、地域ボランティアで解決するような仕組みづくりも計画中です。家族だけでは介護が難しくなった場合にも、私たちが介入することで引き続き家で生活できるよう、これからも取り組んでいきたいです。

訪問介護とは?

 在宅で介護を必要とする高齢者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)を派遣して、日常生活の支援を行う在宅サービス。サービスには身体介護と生活援助があり、身体介護はご利用者の身体に直接触れて行う介助サービスで、食事介助や入浴や排せつの介助など。生活援助は、調理や洗濯などの家事、買い物などの日常生活上の世話を行います。
 
 社会福祉法人筑後市社会福祉協議会では、訪問介護の他、居宅介護支援(ケアプラン)、障がい相談支援(ちくたくネット)や訪問入浴、地域包括支援センター、生きがいデイサービスの運営などを行い、高齢や障がいのある方の在宅生活の支援をしています。支え合いのある地域づくりを目指して、学童保育や共同作業所づくり、ボランティア活動の推進なども行っています。

施設概要

画像:青空を背景として手前の駐車スペースに3台の軽自動車が止まりその後ろに2階建て施設を正面から見ている様子

社会福祉法人筑後市社会福祉協議会 筑後市ホームヘルプサービス

〒833-0032
筑後市野町680番地1
電話:0942-52-9016