インタビュー

2020年1月28日 NEW

病院の介護福祉士としてチーム医療の一員となって患者さんをケア

私の介護の仕事

鈴木裕二(すずき・ゆうじ)さん 介護職歴16年 ー 医療法人相生会 福岡みらい病院 ー

アイキャッチ画像:院内の中で左手に受話器持ち耳にあてて話ししている鈴木さんの様子
プロフィール写真:白い壁の部屋で椅子に座り、机の上に資料を置きその上で手を組んで笑顔でインタビューに答える鈴木さんの様子
鈴木裕二(すずき・ゆうじ)さん

【プロフィール】
高校卒業後、一般企業へ就職し、7年間勤務。その後、病院の看護助手として介護の仕事を始める。平成27年に福岡みらい病院に入職。平成29年に介護職員の教育担当になり、平成30年から介護主任として勤務している。

【保有資格】
介護福祉士

スケジュール

8時30分 出社、申し送り
10時30分 入浴介助
12時 配膳、食事介助
14時 病棟カンファレンス
15時30分 レクリエーション、研修、委員会など
17時30分 終礼、退社

関心なく始めた介護の仕事が、意外にも自分にピッタリ

画像:院内の病室でベットに立った状態で女性スタッフと二人でシーツを敷いてる鈴木さんの様子
 

 私が介護の仕事に出会ったのは、まったくの偶然でした。前職を辞めて、仕事を探していた時に病院の求人が目に入り採用されたことが始まりです。当初は病院の事務職でもと考えていたのですが、面接で「仕事なら何でもします」と話したため、看護助手として採用されました。

 介護の資格もなく、もちろん知識も経験もありません。そのため、先輩たちの仕事を見よう見まねですることで精一杯でした。当然、素人には分からないことも多く、入職して1年くらいは悔しい思いをしたことがたくさんありました。それまで自分では気づいていませんでしたが、幸い人と接する仕事が好きだったようで、仕事自体は楽しく、今では事務職にならなかったことを感謝しています。 

 私は介護福祉士ですが、病院での勤務経験しかありません。現在は回復期リハビリ病棟に所属しています。病院は、介護施設と異なり、医師や看護師、リハビリスタッフなど色々な職種が患者さんの治療にあたっています。その中の介護福祉士の役割は、自立に向けた生活の支援をする専門家として、患者さんを支援することです。患者さんの入浴や食事の介助、レクリエーションなどを行い、メリハリのある不便のない入院生活の援助をするほか、多職種と連携して患者さんの「よりよい生活の実現」に向けてカンファレンスを行っています。

介護の専門性を高めることで院内での存在感を高めたい

画像:院内の楕円形スタンドの周りに5名の女性医療スタッフと1名の男性スタッフに対し患者さんの支援プランを説明している鈴木さんの様子

 医師や看護師などの医療職とともに働いているので、他の職種の人たちに自分が考えた支援プランを認めてもらい、患者さんの状態が改善されたときが嬉しいですね。施設の場合、まわりの職員のほとんどが介護職ですが、病院の場合は、色々な職種が患者さんを支えています。そのため、しっかりとした知識を身につけ、常に根拠に基づいたプランを提示し、説明しなければなりません。それぞれが自分たちの専門性を持ち寄って患者さんの話をするので、責任もありますが、介護の専門家としての視点が求められているということでモチベーションにつながっています。

画像:院内の研修室で7名の介護職スタッフで机を囲んだ状態で、介護職の研修を実施している鈴木さんの様子

 院内では介護職の教育も担当しています。介護職全体のレベルアップを図ろうと定期的に研修を計画し、開催しています。まずは個人の専門性を高めてもらうことと、介護福祉士としての業務内容を明確化することで、多職種にも介護福祉士の業務を理解してもらい、スムーズな連携がとれるように進めています。

退院というゴールが見える病院勤務は、他とは違った知識も求められる

画像:院内の研修室で2名のスタッフが机に座り、その前で紙を手に持ち立って退院するというゴールを説明している鈴木さんの様子

 介護施設とは違って、病院には患者さんが元気になって退院するという明確なゴールがあります。その自立を助けるために介護福祉士は日ごろから知識の向上と自己研鑚が必要だと思います。介護の仕事を始めるときは、私自身がそうだったように無資格で始められ、敷居は低いように感じられます。しかし、続けていくには、それなりの覚悟が必要です。それは病院勤務も施設勤務も同じで、「人を安全に支援する」という責任感が介護職の信頼や地位の向上につながっていきます。

 今は看護部の中の介護職という位置づけですが、組織図に「介護課」という組織ができることを目指して準備をすすめています。組織の一部門になるためには、業務を明確にし、介護職が院内の業務や患者さんのケアに必要不可欠であるということを理解してもらう必要があります。今後は組織づくりや人材育成に積極的に取組み、介護職にも働きやすい職場を目指していきます。

病院とは?

 入院設備となるベッドが20床以上の医療機関を病院と呼びます。
 介護施設が生活の場であるのに対して、病院は治療を目的とした場所です。最近は、退院後の生活を見据えた支援をするため、介護の視点を重視し、介護福祉士を雇用する病院も増えています。
 
 医療法人相生会は福岡みらい病院をはじめとした病院や介護施設を多数展開しています。その中で福岡みらい病院は「心を尽くした最善の医療を」を理念に掲げ、急性期から回復期、慢性期、地域包括ケア病棟を持つ418床のケアミックス型病院です。介護職は、医師や看護師などの医療者とともにチーム医療の一員として、患者さんの自己決定を尊重し、その人らしく暮らしていけるよう自立に向けた支援を行っています。

施設概要

画像:青空を背景に手前の駐車スペースに1台のワンボックスが止まり、右下半分が円形の7階建ての大きな施設全体を映した様子

医療法人相生会 福岡みらい病院

〒813-0017
福岡市東区香椎照葉3-5-1
電話:092-662-3001