インタビュー

2020年1月28日 NEW

働きながら3人の子どもを出産、長く働ける職場づくりに努めたい

私の介護の仕事

松尾美保(まつお・みほ)さん 介護職歴18年 ー 社会医療法人親仁会 介護老人保健施設くろさき苑 ー

アイキャッチ画像:施設内の食堂に机を並べ6名の利用者に二人で並んで体操指導をする松尾さんの様子
プロフィール写真:白い壁の部屋で椅子に座り、机の上に資料を置きその上で手を組んでインタビューに答える松尾さんの様子
松尾美保(まつお・みほ)さん

【プロフィール】
大学卒業後、就職浪人中に一緒に住んでいた祖父が要介護になり、介護していた祖母を助けたい想いから介護職を目指す。平成12年に介護老人保健施設くろさき苑に入職。3度の妊娠・出産を経て、平成19年6月より、通所リハビリテーション副主任に就任。

【保有資格】
介護福祉士、認知症リーダー研修修了

キャリアアップ

1年目 介護老人保健施設くろさき苑 入所施設勤務
4年目 支援相談員として勤務
10年目 通所リハビリテーション勤務
18年目 通所リハビリテーション副主任

リハビリの効果が現れ職員のモチベーションもアップ

画像:施設内の食堂の一角で椅子に座っているマスク姿の女性利用者と立ったまま笑顔で会話する松尾さんの様子
 

 当施設に入職して10年ほど入所サービスでの介護を経験し、その後通所リハビリテーションに移り、さらに10年ほど勤務しています。最近は、地域のサロンに出向いて介護予防体操をするなど、介護予防事業にも携わっています。

 当施設の通所リハビリテーションには、寝たきりの方も通っています。寝たきりでも、入所せずに自宅での生活と通所リハビリを頑張っているご利用者の姿を見ると、私も在宅生活を維持する力になりたいと強く感じます。

 当施設の通所リハビリテーションでは、平成29年からリハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)を取っています。リハビリを行い、その結果のADL(activities of daily living)や機能の変化を確認し、結果をもとにまたリハビリの方法を考え、これを繰り返すことで、ご利用者の日常生活における活動の質の向上につなげるものです。 

 あるご利用者は、寝たきりの状態で病院から退院し、通所リハビリを利用し始めました。長時間車いすに座っていることが難しく、食事も口から食べられずに、胃ろうで栄養をとる状態でした。この方をリハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)の対象として、リハビリを開始。リハビリスタッフはもちろん、介護職からも気付いたことを出し合いました。車いすのクッションを調整してバランスを改善することで長時間の座位が可能になりました。また、経口摂取の練習を1種類のおかずからスタートし、1年半経った現在、利用時の昼食はミキサー食で経口摂取できるようになりました。職員にとっても、努力がADL向上に繋がる成功体験ができ、モチベーションの向上につながっています。

部活動形式のリハビリでご利用者が積極的に参加

画像:施設の外にある畑で利用者がスコップでさつま芋を掘る隣で白い軍手をつけしゃがんで様子を見守る男性スタッフの様子
 

 当施設の通所リハビリでは、「部活動形式」での活動を実施しています。

  • 月曜日は「筋肉部」(体操、筋トレ)
  • 火曜日「芸術部」、「新体操部」
  • 水曜日「リズム体操」
  • 木曜日は「百姓部」(農作業)
  • 金曜日は「書道部」、「お散歩クラブ」、「合唱部」、「よいしょこら部」(起立、歩行練習)
    • というように、曜日ごとに様々な活動をしています。ご利用者は自分の興味のあることに積極的に参加したり、仲の良いご利用者同士でクラブに誘ったりと、ご利用者の活動が活発になっています。

       

画像:施設のピロティに複数のかごの上に段ボールサービス箱に移動販売品が並べ、その品物を4名の利用者が選んでいる様子

 他にも当施設には、「すみよか委員会」と題して、ご利用者のささいな「つぶやき」から施設のサービスを改善していくという取り組みがあり、私も平成22年から委員として活動に参加しています。委員会には、入所、通所それぞれの介護職員、看護師、事務職員、リハビリスタッフなど多職種が集い、意見交換をして、利用者の要望に応える方法を模索しています。例えば、通所リハビリのご利用者の「定期的に買い物に行きたいけど、体が不自由で難しい」という声をきっかけに、月に2回の移動販売を依頼し、開始しました。ご利用者からは、「自分の目で品定めをして買い物できて嬉しい」と喜んでいただいています。

管理者として、働きやすい環境づくりを目指す

画像:施設内のスタッフルームの机を3名の女性介護スタッフが囲み机の資料を見ながら会話している様子

 今年の6月からは通所リハビリの副主任になりました。まだ管理職となって間もないですが、職員が働きやすい環境づくりに努めたいと考えています。

 私自身、入職してから3人の子どもを産んで育てています。当時の上司に「私も子どもをたくさん産んだから、あなたもたくさん産んで育ててほしい」と言っていただき、産休・育休後も、職場の制度活用により、勤務時間を考慮してもらえたことで、子育てをしながら働き続けることができました。

 施設には産休・育休制度がありますが、周りの職員の協力がなければ、スムーズに復帰することは難しいと思います。今後は私が、後輩たちの働きやすい環境を整えて、ご利用者も職員も笑顔がたえない施設運営を目指したいと思います。

介護老人保健施設とは?

 介護を必要とする高齢者の自立を支援し、在宅復帰を目指すための施設です。「自宅に戻って生活したい」という入所者本人や家族の思いを尊重し、入所者ができるだけ自立した日常生活を送れるよう、リハビリテーションや必要な医療、介護を提供します。
 
 社会医療法人親仁会は、米の山病院、みさき病院と3つの診療所を中心に、介護老人保健施設くろさき苑や、訪問看護ステーション、デイサービスセンター、ケアプランセンターなどを運営し、地域住民の在宅生活を支えています。介護老人保健施設くろさき苑では、定員100人の入所施設と、定員80人の通所リハビリテーションを運営。その他、短期入所療養介護(ショートステイ)や介護予防サービスも行っています。

施設概要

画像:青空を背景に手前に道路がありその先い駐車場があり10台の車が止まっている後ろに大きなL字型の2階建施設の様子

社会医療法人親仁会 介護老人保健施設くろさき苑

〒836-0002
大牟田市岬1254-1
電話:0944-54-9639