インタビュー

2019年3月29日 NEW

施設でも今までの生活を継続できるようにサポート

私の介護の仕事

渡邉里穂(わたなべ・りほ)さん 介護職歴4年 ー 社会福祉法人東翔会 グループホームふぁみりえ ー

アイキャッチ画像:施設内でソファに座っている利用者2名の方にしゃがんで笑顔で会話している渡邉さんの様子
プロフィール写真:施設内の事務室で椅子に座り両手をテーブルの下においてインタビューに答える渡邉さんの様子
渡邉里穂(わたなべ・りほ)さん

【プロフィール】
 宮崎県出身。福祉系専門学校を卒業後、平成27年に社会福祉法人東翔会に入職。グループホームふぁみりえに配属。

【保有資格】
介護福祉士、社会福祉主事


スケジュール(日勤の場合)

8時30分 出社、着替え・整容補助
9時 食事介助
10時 1日の予定および昼食の献立を入居者と決める
11時 入居者と買い物
12時 昼食準備
13時 食事介助
14時 入浴等の個別対応
17時 夕食準備
17時30分 退社

祖母との良い思い出が壊れないように福祉の勉強をはじめる

画像:施設内の台所で女性の利用者と一緒にカルピスや牛乳やオレンジジュースを使ってミックスジュースを作っている渡邉さんの様子
 

 高校生まで生活していた宮崎県の実家では、祖父母とともに生活していました。3世代が同居する家族が普通と考えていた私は、祖父母に色々なことを教えてもらうことが大好きでした。私が高校生の時に祖母が認知症を発症し、とても優しかった祖母が急に怒ったりと、日々変わっていく姿を高校生だった私は受け入れることができませんでした。祖母の認知症についてもっと理解したいという思いと、高齢者と接することが好きだったことから、高校卒業後は専門学校で福祉を学ぶことを決めました。

 専門学校進学後、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組で大谷るみ子氏を取り上げた回を見ました。介護に取り組む姿勢など深い感銘を受け、この人がいる施設で働きたいと思い、縁もゆかりもない大牟田市で就職を決めました。幸運にも大谷ホーム長のもとに配属が決まり、憧れの方と一緒の職場で楽しみながら仕事に取り組むことができました。

入居者個人の生活のリズムを守り、やりたいことを一緒に実現させたい

画像:施設内で座っている女性の利用者の髪を後ろから立ってにこやかにブローしている渡邉さんの様子
 

 「グループホームふぁみりえ」で現在、担当しているユニットは、他のユニットより要介護度が高い方が多く、コミュニケーションを上手くとることができません。しかし、長い人生を歩んできた中での生活のリズムや好きなもの、関心があるものなどは変わりません。私が働くグループホームでは、その方個人の生活を最優先させるので、朝の5時に起きる方も9時に起きる方も個別に対応し、朝食などの準備を行っています。入浴の有無や買い物など1日の予定を朝食後に入居者の方と話し合いながら決めますが、途中で気が変わる方もいます。その際も入居者の方の気持ちを尊重し、その時々の気分にあったことをして1日を過ごしていただきます。そのため、スタッフには、入浴担当などと決まった役割や業務がなく、近くにいるスタッフが臨機応変に対応していきます。このグループホームでは、入居者個人を尊重するという私が理想とする介護が実践できます。

画像:施設内のソファーに座ってアルバムを開いている女性の利用者二人の隣で1枚の写真を左手に微笑んでいる渡邉さんの様子

 入居者の中に、糖尿病を患った方で、認知症が進行して表情が乏しくなった方がいました。甘いものが好きだったのですが食事制限があり、なかなか自由に食べることができません。ある日、その入居者の方がみかんを食べた際、とてもにこやかにおいしそうな表情をされたので、写真に撮り、ご家族に送りました。その後、ご家族から「こんな笑顔を久しぶりに見れた。とてもよかった」とお礼をいただきました。ご家族は、面会の度に表情が少なくなっていくのを心配していたようで、少しほっとした様子でした。私たちの仕事は、直接接する入居者の方だけでなく、そのご家族も笑顔にできる仕事だと認識した出来事でした。

様々な経験を積んで、高齢者に寄り添った介護職になりたい

画像:施設内で利用者2名の間にしゃがみ、利用者1名の方が左手に計量カップを持っているそばから声をかけている渡邉さんの様子
 

 入職4年目になり、後輩が入ってくる機会も増えてきました。今までは先輩についていけばよかったのですが、これからは自信を持って後輩を引っ張っていけるようになることが、現在の目標です。将来的には、高齢者の方やそのご家族に最適なアドバイスができるようになりたいと思います。しかし、今のままでは、自分の意見を相手に伝えることが苦手で、自分の中での引きだしが少ないので、自分自身に自信を持つことが必要と感じています。目標に向かい、今の私に経験が不足している医療的ニーズが高い方や在宅介護の事例など様々なケースを学び、現場での経験を重ね、入居者やその家族からも、職場の仲間からも信頼されるようになりたいと思っています。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは?

 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、地域密着型サービスのひとつで、認知症の高齢者が共同で生活する住居で入浴、食事などの介護や日常生活上のサポート、機能訓練を行います。少人数(5人~9人)の家庭的な雰囲気の中で生活することで認知症の症状の進行を遅らせ、できるだけ自立した生活を送ることを目指します。

 社会福祉法人東翔会は、医療法人東翔会とともに大牟田地域の医療および福祉の一翼を担っています。社会福祉法人では、特別養護老人ホームやケアハウス、デイサービス、小規模多機能施設、グループホームを展開し、地域の方々の「暮らしやすい社会づくり」を目指しています。グループホームふぁみりえは、3ユニット27名が入居し、一人ひとりの生活リズムにあわせたケアを行っています。

施設概要

画像:青空を背景に中央にアプローチがあり右側の庭のあるL字型の施設の全景の様子

社会福祉法人東翔会 グループホームふぁみりえ

〒836-0091
大牟田市沖田町510
電話:0944-43-1223