インタビュー

2019年3月29日 NEW

訪問リハビリの経験を生かし、自宅での生活を見据えたリハビリを推進

私の介護の仕事

志田啓太郎(しだ・けいたろう)さん リハビリ職歴20年 ー 社会医療法人共愛会 介護老人保健施設あやめの里 ー

アイキャッチ画像:施設内の廊下で女性の利用者のそばでにこやかに利用者の様子を見ている志田さんの様子
プロフィール写真:施設内の白いブライドの部屋で両手をテーブルの上において座り、インタビューに答える志田さんの様子
志田啓太郎(しだ・けいたろう)さん

【プロフィール】
 専門学校の理学療法学科を卒業後、平成10年に社会医療法人共愛会に入職。戸畑共立病院で入院・外来リハビリの経験を積み、平成12年から訪問看護ステーションで訪問リハビリに従事。平成14年に戸畑共立病院に戻り、平成19年から介護老人保健施設あやめの里リハビリテーション科に勤務。平成23年から主任、平成30年から部門長。


【保有資格】
理学療法士、ケアマネジャー(介護支援専門員)


キャリアアップ

1年目 病院勤務
3年目 訪問看護ステーションの訪問リハビリに配属
5年目 病院勤務
9年目 リハビリテーション科副主任
10年目 介護老人保健施設勤務
14年目 リハビリテーション科主任
21年目 リハビリテーション科部門長

「訪問リハビリ」を経験し、施設内と生活の場の違いを実感

画像:施設の共有スペースで椅子に座って両手を上にあげて体操している女性の利用者の隣で椅子に座り利用者と同じ動作をしている志田さんの様子
 

 高校生の授業で初めて「リハビリテーション」という言葉を知り、ハンディキャップを身体面、運動面、生活面から解決の支援をする専門的な仕事という点に魅力を感じ、理学療法学科のある専門学校に進みました。卒業後すぐに社会医療法人共愛会に入職し、これまで20年間勤務しています。共愛会は医療と介護、在宅まで幅広く展開しており、20年間でその3つの分野全てを経験することができました。

 入職して最初に配属されたのは戸畑共立病院です。入職当時、理学療法士がいる病院はそう多くなかったのですが、共愛会では私が入職する5年前から理学療法士を採用しており、先輩について学ぶことができました。すぐに月に20人以上の新規患者さんを担当し、たくさんの症例を経験しました。

画像:施設の共有スペースで椅子に座って左足を伸ばしリハビリ運動をしている女性の利用者の隣で椅子に座り利用者と同じ動作をしている志田さんの様子

 3年目から2年間は、患者さんの自宅などに行ってリハビリをする、訪問リハビリの部署に配属されました。病院でリハビリをしているときも「自宅での生活をスムーズにするため」という意識はあったのですが、実際に訪問すると、イメージできていなかったことがたくさんあるのだと衝撃を受けました。この時の経験が、在宅生活を見据えてリハビリをするために、今でもとても役に立っています。

在宅復帰へのキーマンとして、専門職の力を発揮

画像:施設の共有スペースに天井から飾りを沢山吊るした複数の利用者が椅子に座っている部屋で4名の女性スタッフが立ったまま両手をあげて体操を指導している様子
 

 その後一旦戸畑共立病院に戻り、平成19年から介護老人保健施設あやめの里で働いています。介護老人保健施設は、入居者が再度自宅での生活に戻れるようサポートする施設です。そして、そのためにはリハビリスタッフが重要な役割を担います。

 具体的には、ご利用者が自宅での生活にスムーズに戻るためには入居中にどのようなリハビリが必要かを確認するため、リハビリスタッフが中心となり、実際にご自宅を訪問。お風呂やトイレ、寝る場所など、家の様子とその方の生活スタイルを確認した上でリハビリの計画を立てます。自宅訪問は入居前と退所前の2回、もっと必要な方は回数を増やします。また、当施設ではデイケア(通所リハビリテーション)を併設していますので、在宅に戻ってからもリハビリを継続できます。

 あやめの里に配属されてから、リハビリスタッフの力でもっとご利用者の在宅生活をサポートしたいと考え、自宅訪問の回数や内容の充実と、デイサービスへのリハビリスタッフの参加の2つの新しい取り組みを始めました。新しい仕事で成果を出すことで、リハビリスタッフの増員も実現しました。今後は、北九州市と協力して取り組んでいる介護予防の事業にも、もっと力を入れていきたいです。

介護職員さんとも手を取り合って、在宅を見据えたリハビリを展開したい

画像:施設のリハビリ施設の中で志田さん含め4名スタッフがテーブルを囲み座りミーティングをしている様子
 

 リハビリの仕事は、ご利用者が元気になる姿を実感できる、とてもやりがいのある仕事です。これからリハビリの仕事を目指す方には、ぜひご利用者の生活に入り込んで、それに合わせたリハビリの提供を志してほしいです。

 また、同じことを介護職や、これから介護の仕事を目指す方にも知っていただきたいです。私たち理学療法士はリハビリの専門職ではありますが、介護老人保健施設に入居中の方と接する時間は1日に多くて30分程度です。24時間を通してご利用者と接する介護職の方が、リハビリや在宅復帰支援の要になります。ぜひリハビリや在宅に目を向ける意識を持って、一緒にこのやりがいを共有していただきたいです。

介護老人保健施設とは?

 介護を必要とする高齢者の自立を支援し、在宅復帰を目指すための施設です。「自宅に戻って生活したい」という入所者本人や家族の思いを尊重し、入所者ができるだけ自立した日常生活を送れるよう、リハビリテーションや必要な医療、介護を提供します。

 社会医療法人共愛会は、急性期の戸畑共立病院と回復期の戸畑リハビリテーション病院に加えて、介護老人保健施設、健診センター、クリニックを運営。クリニックの付属施設として訪問看護ステーションやヘルパーステーションも展開し、急性期医療から在宅まで複合的に医療・介護を提供しています。

施設概要

画像:青空を背景とし手前に道路がありその左に公園があり一部5階建ての建物全景を映した様子

社会医療法人共愛会 介護老人保健施設あやめの里

〒804-0092
北九州市戸畑区小芝2丁目4-18
電話:093-871-5902