インタビュー

2019年3月29日 NEW

信念を持って取り組めば、現場をよりよく変えていくことができる

私の介護の仕事

脇田一也(わきた・かずや)さん 介護職歴10年 ー 社会福祉法人敬愛会 デイサービスセンターあじさい ー

アイキャッチ画像:利用者の絵画が飾ってある施設内の共有スペースで座っている男性の利用者に左手でメモを見せて、にこやかに会話している脇田さんの様子
プロフィール写真:施設内の白い壁の部屋で両手をテーブルの上におき手を組んで明るくインタビューに答える脇田さんの様子
脇田一也(わきた・かずや)さん

【プロフィール】
大学で社会福祉学を学び、平成21年に社会福祉法人敬愛会デイサービスセンターあじさいへ入職。2年間介護職員として勤務後、平成23年からデイサービスセンターの生活相談員として勤務。平成29年からデイサービスセンターあじさいのセンター長を務めている。

【保有資格】
介護福祉士、社会福祉主事


スケジュール

8時15分 出社、朝礼
8時30分 送迎
10時 センター内でご利用者対応、入浴介助、排泄介助など
12時 食事介助
13時 リハビリ、体操、個別活動、行事など
15時 送迎
17時 終礼、退社

契約の業務を経験し、サービス業としての介護の在り方を考えるように

画像:施設内でソファーに座っている男性利用者と椅子に座って利用者を見ながら談笑する脇田さんの様子
 

 大学で社会福祉学を学び、社会福祉法人敬愛会に入職しました。2年間、デイサービスセンターあじさいで介護職員として勤務した後、3年目から生活相談員の業務に従事しました。デイサービスは、自宅で生活する方が通って介護サービスを受ける場所であり、私たちはその方が長く在宅で生活できるようサポートする役割があります。

 生活相談員は、デイサービスの利用を検討している方の相談を受けて対応し、当施設について説明し、利用する契約までに関わります。契約の業務に携わったことで、ご利用者や社会保障費から対価を頂き介護サービスを提供する以上、介護も飲食店などと同じ「サービス業」なのだという意識を強く持つようになり、費用対効果や満足度を意識するようになりました。

デイサービスの役割を追求し、変革に取り組む

画像:施設内の食堂で湯呑が二つ置かれているテーブルを挟んで座っている利用者に対して、立って左手で利用者を指しながら話をしている脇田さんの様子
 

 以前のデイサービスセンターあじさいでは、集団でのレクリエーションを中心にしたメニューを実施していました。見学に来られるご利用者やご家族は、様々な課題を持ってデイサービスのご利用を検討されますので、集団で同一のことをしていては、個別の課題には対応できず、ご利用者のニーズとデイサービスの現状が一致していないと感じるようになりました。

 そこで、入職8年目に当施設のセンター長になった際に、個別メニューを中心としたデイサービスへの変革に取り組みました。部屋を区画ごとに分けて、ぬいものやぬり絵などに取り組める場所や、ソファでテレビを見ながらゆっくりと過ごせる場所、機器を使って運動ができる場所をつくり、ご利用者が自分で計画をたてて、好きな時間にしたいことに取り組めるようにしました。

また、服を脱ぐ動作や食器洗いをできるようになりたいなど、個別の目標がある方には職員が見守り訓練しています。同じ建物内にある入居施設の理学療法士や作業療法士に来てもらってアドバイスを貰うこともあります。最初は職員にもご利用者にも、戸惑いがありましたが、個別対応にすることの意味をきちんと説明すると、納得していただけました。見学に来た方やご家族の方にも、過ごし方を強制されない点が喜ばれ、反応の変化を感じています。

施設を超えた仲間との交流で、モチベーションをさらに向上

画像:車いすを押す女性スタッフと車いすから利用者の両脇を抱えて移動を介護している脇田さんの様子
 

 当施設のご利用者は独居の方が多いため、職員にもっと「ご利用者の在宅での生活をサポートする」意識を持ってもらいたいと考え、各サービスの担当者がケアプランについて話し合う「サービス担当者会議」に、現場の介護職員に同行するようにしました。すると、ご利用者の在宅での生活がイメージできるようになり、送迎の際に自主的に家の中の様子を確認して「今日は食事が残っていた」などの気付きも出てきました。少しずつ、在宅生活を支えるためのデイサービスという意識が醸成していることを感じています。

画像:施設の食堂で食事が載せてある配膳用トレーに右手を添えて、女性スタッフと談笑している脇田さんの様子

 こうした私の経験から、介護の仕事を目指している方には「自分が強い信念を持って取り組めば、年数はかかっても周囲にきちんと伝わる」ということをお伝えしたいです。現状の職場が理想どおりでないこともあると思いますが、ご利用者のため、施設のために良いことであれば、強い意志で取り組むことで、変えることができます。

 職場の介護施設だけでなく、介護の仕事をしている同世代の有志との交流もお勧めです。情報交換だけでなく、介護の仕事に対する熱い思いを共有する仲間を持つことがモチベーションの向上に繋がります。私もそうした仲間と、もっと介護の仕事の魅力を発信していきたいです。

デイサービス(通所介護)とは

 デイサービスは、在宅で生活する高齢者が通って利用するサービス。日常生活上できないことを支援し、生活機能の維持向上を目指して、機能訓練を実施。社会交流の場を提供することで閉じこもり防止、孤独の解消やストレスの軽減、精神安定を図ります。送迎付きで食事や入浴のサービスを受けることができます。

 

 社会福祉法人敬愛会は、介護老人福祉施設あじさいで入所と短期入所に加えて、デイサービスセンターあじさいを運営。グループ法人の医療法人若愛会と連携して医療・福祉サービスを一体的に提供しています。

施設概要

画像:少し晴れ間ののぞく空を背景に一部4階建ての施設全体を下の方から見上げた様子

社会福祉法人敬愛会 介護老人福祉施設あじさい

〒808-0043
北九州市若松区西畑町9-73
電話:093-752-3777