インタビュー

2019年3月29日 NEW

介護の仕事をライフワークの様に楽しむ姿に憧れ、介護の道に進むことを決意

私の介護の仕事

法川泰大(のりかわ・やすひろ)さん ー 社会福祉法人敬愛園 福岡介護福祉専門学校 ー

アイキャッチ画像:教室の最前列のテーブルに教科書を開きその左に紙をおき、右手にペンを持ち、正面を見て話している法川さんの様子
プロフィール写真:テーブルと椅子が後ろにある部屋の中で椅子に座り左手を胸の前にし、インタビューに答える法川さんの様子
法川泰大(のりかわ・やすひろ)さん

平成25年に高校を卒業後、学校法人永原学園西九州大学の社会福祉学科臨床心理コースに進学。

平成29年に同大学を卒業後、福岡介護福祉専門学校に入学。平成31年3月卒業予定。

祖母に何もできなかった後悔が、高齢者福祉を学ぶきっかけに

画像:白いカーテンの部屋で介護役の生徒の左脇を抱え右の腰に手をおいて介護する授業の様子

 高校を卒業後、西九州大学社会福祉学科の臨床心理コースに進学し、児童や学生をケアするスクールカウンセラーを目指していましたが、祖母の死をきっかけに、高齢者福祉に興味を持ちました。
西九州大学に通っていた頃に、祖母がくも膜下出血の後遺症で寝たきりになり、私は何度かお見舞いに行きましたが、以前と変わり果てた姿に何を話して良いか分からず声をかけられないまま、祖母は亡くなってしまいました。カウンセリングを学んでいたのに何もできなかった後悔とショックが大きく、高齢者福祉について学びたいと考えるようになり、福岡介護福祉専門学校に進みました。

介護の現場で働く人を見て、介護職のイメージが一新

画像:ベットに横たわる介護役の生徒を介護する法川さんの姿を左側から観察し状況を教諭がメモする授業の様子

 専門学校に進学してからも、最初は介護の仕事に就くつもりはありませんでした。「高齢者のお世話をするきつい仕事」というネガティブなイメージを持っていたからです。しかし、授業や特別養護老人ホームでのアルバイトで実際に介護の現場を見て、介護の仕事に対するイメージは変わりました。
 ご利用者と実際に関わる中で、私がこれまで趣味としてきた音楽が共通の話題になり心を開いてもらうきっかけになったり、反対にご利用者から家事のコツを教えてもらうこともありました。介護の仕事は「生活」のことなので、自分の人生で経験したことを何でも活用できるし、逆にご利用者から教わったことが、自分の人生に活用できます。
 また、介護職員さんの働く姿から、介護はご利用者を“お世話する”のではなく、その方との関係を深める中でよく理解し、体が不自由でもその方らしく生活することを支える仕事だということが、よくわかりました。加藤忠相さん(映画「ケアニン」のモデル施設、株式会社あおいけあ代表)が「介護の仕事は、その人らしく“輝ける”ようにサポートする仕事」と話されているのを聞き、そのポジティブで華やかなイメージにとても嬉しい気持ちと共感を覚えました。

より良い介護を追求し続ける介護職を目指す

画像:窓の外の道路が映っている部屋の中で椅子に座り、インタビューに答える法川さんの様子

 介護福祉士会の研修や講演会で、介護業界で活躍する人の話を聞く中で、加藤さんの他にも「こんな大人になりたい」と思う人との出会いがたくさんあったことが、私が介護の仕事に就くことを決めた一番の理由です。
 介護の世界には、人手不足などの様々な課題がある中でも「現状を打破してご利用者がその人らしく生きるにはどうしたら良いか」を考え、挑戦し続けている人が、たくさんいらっしゃいます。私もその方たちのように、より良くするためにはどうしたら良いかを追求し続け、ライフワークのように仕事を楽しむ大人になりたいです。
 卒業後は福岡県内のグループホームに就職が決まっています。たくさんの施設がある中で、理念に共感でき、また理念が現場で実践されていることに感銘を受けて、この施設への就職を決めました。ここでご利用者に寄り添う介護を学び身につけ、訪問介護など、より個別のサポートが必要な業態にも挑戦していきたいです。

小笠原靖治(おがさわら・せいじ)さん 福岡県介護福祉士養成施設協会 会長(2019年1月現在) 社会福祉法人敬愛園 福岡介護福祉専門学校 理事・校長

画像:壁の2面が窓になっている部屋の中で椅子に座り、テーブルの上で軽く手を組んでインタビューに答える小笠原さんの様子
小笠原靖治(おがさわら・せいじ)会長

 福岡県介護福祉士養成施設協会は、福岡県内の14の介護福祉士養成校によって構成されています。学生指導や学生募集等の情報共有を目的に、各校の校長や教鞭をとる職員が集い、養成校の課題や指導の方法などを情報交換しています。

 養成校の出身者は、長く介護現場で働き続けている方が多いです。これは、各養成校で「介護の仕事のやりがいを見つける力」を身に付けることができている結果だと考えます。また養成校の学生達は、介護の仕事の魅力を私たち教育者以上に理解しているように感じます。そこで平成27年から、当協会に参加する14の養成校の学生が主体となり、学校の枠を超えて、介護の魅力を知ってもらうための取り組み「ReLife project」を開始しました。学生達が主体となりフリーペーパーの発刊やイベント開催を通じて、介護職の魅力をアピールしています。

画像:教室内のベットに横たわる介護役の生徒の傍で介護の実習をする生徒とその周りを4名の生徒が見ている様子

 私は介護の仕事について若い方に伝えるときに「治す看護、叶える介護」という言葉を使います。病気や怪我を治すところまでは医療の分野ですが、治らなくなってから介護の仕事がスタートします。私は、「人が幸せに生きていると感じるのは、自分らしく生きているとき」だと考えます。そして、障がいがある中でも自分らしく生きることを支えるのが介護の仕事です。 人が最期まで幸せに生きるサポートをしたいという想いが、介護の仕事では実現できます。若い人にはそうした熱い思いをもって介護の世界に飛び込んできて欲しいです。

介護福祉士養成施設とは?

 社会福祉士及び介護福祉士法に定められ、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校または都道府県知事の指定した養成施設。高等学校や専門学校、大学があり、卒業後、介護福祉士の国家試験の受験資格が得られます。

 社会福祉法人敬愛園は、特別養護老人ホーム、グループホーム、ショートステイ、デイサービスなど15の事業所を運営しています。同法人の運営する福岡介護福祉専門学校は、平成31年4月に校舎を移転し、介護施設と学校が同一建物内に併設する「ケアスタ福岡」での養成事業を開始します。

施設概要

画像:壁一面が複数毎の窓で構成されている学校を正面から映した学校の様子

社会福祉法人敬愛園 福岡介護福祉専門学校
〒812-0044
福岡市博多区千代1丁目30-25ケアスタ福岡
電話:092-645-0800