施設紹介

2018年2月15日 NEW

「自宅に戻って生活したい」という思いを尊重し、病院から在宅への架け橋となる施設を目指す

施設紹介

介護老人保健施設「寿苑」 ー 特定医療法人幸明会 ー

画像:テーブルの周りに椅子や車いすに座った利用者の方8人としゃがんでいる介護者の方3人、前に出てホワイトボード前で話しているスタッフのお話を聞いている様子。
画像:車椅子に座った4人の利用者の方と椅子に座った2人の利用者の方が前で立っている介護者の真似をしてストレッチをしている様子。

【介護老人保健施設とは?】
 介護を必要とする高齢者の自立を支援し、在宅復帰を目指すための施設です。「自宅に戻って生活したい」という入所者本人や家族の思いを尊重し、入所者ができるだけ自立した日常生活を送れるよう、リハビリテーションや必要な医療、介護を提供します。

【理念】
 「個人の尊厳を重視したケアに取り組み、地域に根差した老健、地域福祉に貢献できる施設を目指します」を基本理念に、地域の病院やグループホーム(認知症対応型共同生活介護)、有料老人ホームなどと連携しながら、地域と一体となったケアを提供しています。

【施設・事業所の成り立ち】

平成元年7月 40床で開設
平成5年3月 36床の認知症専門棟を増床
平成24年4月 現在地に全面移設

病院と連携して認知症の人を支える体制を構築

画像:手前では3人の利用者の方が椅子に座り談笑しており、奥では1人の利用者の方が介護者に支えられリハビリをしている様子。

 介護老人保健施設「寿苑」は、人口約4万人のみやま市にあります。みやま市は平成19年に山門郡瀬高町、山川町と三池郡高田町の三町が合併して発足した市で、農業や漁業が盛んです。

 寿苑は、特定医療法人幸明会の中核となる船小屋病院と連携して病院から在宅への懸け橋となる施設を目指して、平成元年に開設しました。船小屋病院は、筑後地域で最も早くから認知症疾患の専門治療に取り組んできた病院です。そのため同施設でも、平成5年に認知症専門棟を増設しました。

画像:共有スペースで前で立っている介護者の方が大きい風船を浮かばせてそれをみている椅子や車いすに座ってみている7人の利用者の方の様子

 平成24年には、法人全体で認知症地域連携委員会を立ち上げ、年3回の市民講座や関係機関との勉強会を開催。平成29年からは、みやま市地域包括支援センターの委託を受け、認知症初期集中支援チームを発足し、認知症の早期発見と早期治療に向けた支援体制を構築しています。

自宅での生活を想定して個別のリハビリメニューを提案

画像:灰色の壁の部屋で右手を軽く上げインタビューに答える池田さんの様子。
池田創施設長

 寿苑では、入所者が自宅に帰ることを目標にリハビリテーションに取り組めるよう、入所前に理学療法士らが自宅を訪問しています。玄関の段差や居室からトイレまでの距離、風呂場の手すりの位置などを把握した上で、その人に合ったリハビリメニューを提案。認知症専門棟では、個別に設定した目標を本人が認識しづらいことを考慮して、レクリエーションの中に、立ち上がりや歩行などリハビリ訓練の要素を取り入れるよう工夫しています。
 同苑の池田創施設長(内科医)は「自宅での生活を想定して、立ち上がりや歩行訓練の距離など具体的な数値目標を決めることで、在宅復帰に向け、入所者の意欲を高めることができます。また、入所後すぐに集中してリハビリに取り組むことで、在所日数を短縮し、早期の在宅復帰へつなげています」と話します。
 また同苑では、個別に設定した目標を多職種で共有するため、毎月1回、医師、看護師、作業療法士、理学療法士、介護福祉士、管理栄養士などの全職種が一堂に会する研修会を開いています。研修会では、リハビリの進み具合、栄養や医学的管理、家族の状況など各専門職がそれぞれの視点から現状や課題を報告。課題については、その解決策を全職種で話し合うことで、在宅復帰に向けた取り組みを強化しています。  

「寿苑喫茶」で家族の参加率もアップ

画像:共有スペースで女性の介護者の方2人と男性の介護者の方1人が喫茶店寿営業中という看板をもって写真に写る様子。
寿苑喫茶

 寿苑の建物は、明るく広いエントランス、九州新幹線の見える景色の良いリハビリ室など入所者だけでなく、同苑を訪れる家族が来所しやすいように、様々な工夫がされています。なかでも、家族を迎えるために、月に一回、開店する「寿苑喫茶」は、平日開店にもかかわらず、家族との触れ合いの場として好評です。また、苑内のイベント広場では、季節ごとにひな祭りや夏祭り、クリスマス会や餅つきなど多彩な催しを開いています。「在宅復帰を目指す上では、入所後も家族とのつながりを維持していくことが大切です」と池田施設長。以前は、家族勉強会などを企画していましたが、喫茶店を開催するようになり、参加率もアップしたといいます。

画像:車いすに座って食事中の女性の利用者の方が女性の介護者の方から食事の介助をしてもらっている様子。

 また、同苑が注力していることの1つに、アフターケアがあります。入所者が自宅等に戻った後も通所リハビリテーション(デイケア)や短期入所サービスなどを通じて、本人や家族の支援を継続し、切れ目のないケアを提供しています。「入所しているご本人だけではなく、家族を支えていくことも私たち施設の大切な役割です。地域の方々が、住み慣れた自宅での生活が継続できるよう、寿苑だけではなく、地域の専門機関との連携も強化して地域全体で支えていけるよう、全力で取り組んでいます」と池田施設長は話します。

〰これから介護職を目指す方へ〰

画像:灰色の部屋の中でインタビューに答える池田さんの様子。
池田創施設長

 入所した時には笑顔の少なかった高齢者が、私たちの日々の声掛けや少しの手助けで日常生活を取り戻し、笑顔に変わっていく様子を目の当たりにすると喜びを感じます。また、いつ自分の家族を介護するという状況も来るかもしれません。自分の家族のように愛情を持って高齢者の方たちに寄り添うことで、やりがいが見いだせる仕事です。(池田創施設長)

事業所概要

画像:手前に道路があり黒い三角屋根で黒色や煉瓦色、白色などの壁がある2階建ての施設の様子。
介護老人保健施設 寿苑

介護老人保健施設 寿苑

〒835-0006
みやま市瀬高町坂田59-1
電話:0944-63-3943